ひょんなことからアフリカへ

ひょんなことからアフリカへ行くことになった男がアフリカから日本に帰ってくるまでの日々を描いた日記。

アフリカ26日目〜モザンビーク編⑥〜

理論上は可能でも、「現実的に考えたらそりゃ無理だろ」となるのはよくあることだ。でも、たぶんそこを乗り越えた結果として、人は飛行機を発明したり、オランダ語医学書を江戸期に日本語訳して世に出したし、宇宙にも深海にも行けた。つまり「無理でしょ」と言われることに敢然と立ち向かうことによってブレイクスルーは生まれるわけだ。

では、夜中1時過ぎくらいまで起きていて、数km先のバス停に朝3時30分にたどり着くことは、不可能だろうか?答えは「可能」である。

しかし、どうだろうか。

ぼくらの居場所は朝4時30分をまわった時点で、全く変わっていない。

ぼくらが買ったバスチケットは幸い(今回ばかりは不幸にも)ちゃんとしたバス会社であり、悪い意味でアフリカ時間の動きをとっていないのだ。つまり、定刻通りに発車する。つまり、昨日係員が言っていたとおり、バスはすでに4時には出発しているわけだ。

 


結局、朝8時過ぎ、オーストラリア人の彼と一緒にバスチケットセンターに向かった。ぼくらはチケットの日付を変更できないか、一縷の望みを託してスタッフに尋ねてはみたが、あっけなく撃沈。結果として、再び3100メティカル(およそ5000円)を支払って明日の朝3時30分発のバスチケットを購入するに至った。

別にぼったくられているわけでもなく、もちろん日本での出来事として考えてもバスを逃せばそりゃもう一度支払うのは当然のことなので、全く躊躇いはないのだが、支払うことになった理由がぼくにとってとてもじゃないが噛んでも噛みきれないものであったことは確かだ。まさか寝坊して1日と3100メティカルを棒にふ振ることになるとは。こういうことは起きうることを理解していても、考えたくないのが実情だ。現にぼくの心には、ストレスがまるで噴火時の火山灰のように、一瞬にして、そして一気に積もっていった。

多少時間も経ったので落ち着いてきたが、旅においてはこういう原因のトラブルが命取りだ。例えば、現地でのやりとりでうまくいかないのなら、それは多少のストレスがあるにせよ、納得できるしなんなら友人にも笑い話的なものとして話すことができる。だが、今回みたいに自分が要因で起きるミス(寝坊や油断のような)が旅行中に起きると一気にストレスが増す。何をしても落ち着かないくらい嫌になる。こんなに敏感なのはぼくだけなのかもしれないが。

 


とにかく、今日は再びデイオフになった。暇だが、とはいえ、今泊まっているバックパッカー宿はとてもよいところだし、オーストラリア人の友人もいれば、今日は再び、モザンビーク島でともに過ごしたフランス人カップルも帰ってくる予定だ。そういう意味では退屈しないだろう。そして先ほど、昨日宿で出会ったスイス人とドイツ人が出ていった。友人と合流しに行って、そのままモザンビーク島に行くらしい。さぞ楽しいことだろう。

 


今日はなんだか心情の吐露になっている気がする。いつもだいたいそうだが、今回は特に。まあ、ぼくにとっては今回の旅行が人生最長の旅行である。毎日が記録更新日だ。そりゃ何が起きるかわからないなかでの出来事の連続なので、めちゃくちゃ楽しくもあれば、ちょっとしたことでストレスが生まれたりもする。まあ、それも気持ちの移り変わりがあるのが当たり前なのと同じで、よくあることだ。

それに、こうして書いているうちに結構落ち着けてきた。

 


切り替えようと思えばすぐに切り替えられるが、“あえて”切り替えたくないときだってある。それは、近い友人や親などとの折衝が起きた際にしばしば起こる。こちらがあえて切り替えずに半ばだだをこねるような感じで拗ねた時、相手側に優位に立てるというか、まるで「ぼくを拗ねさせたんだから、お返しになにかしてよね」と言わんばかりに振る舞えてしまう。そしてなにか利を得ようとする気持ちが働いてしまうのだ。相手には申し訳なさを助長させ、そこにつけこんで利を得ようとする。そんなところから、“あえて”切り替えないということも起きるのかな、と思ったモザンビークの朝である。

 

 

 

多少眠かったので、寝たら5時間ほど経っていた。10時から16時前まで一瞬で過ぎた。

これもぼくだけかもしれないが、本当にやることがない時、なぜか駅前とかに行ってショッピングモール的な場所に行ってしまわないだろうか。これはモザンビークのナンプラにおいても同じである。ぼくは結局SPARナンプラ店に来てしまった。まあ、明日から長いバス旅なので、それに備えてなんか買っておこうというのもある。

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この感じ、アミューズメントパーク感満載である。

 

そうしたら、計らずもオーストラリア人の彼もいた。目的も全く同じだった。しばらくして買い物を済ませた後、ちょうど対面に中華フードコートがあるので、ふと、お腹もすいていたし、なんならぼくの友人もいるかも、と思いふらりと入ったら、案の定ぼくの友人もいたのである。なんとまあ偶然というか、行動範囲が限られているというか、おもしろかった。

そこでいつものように100メティカルコスパ最強チャーハンと今日は春巻き2本を食べ、まんまん満足。

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そして気づけば18時に近づいている。こちらはすぐ暗くなる。天候的にはほとんどエチオピアなどと変わらないが時間だけはそういった国より1時間遅いので、18時前には真っ暗になるといった感じだ。やることは全くない。

 

 

 

さあ、明日こそはマプトへ向けて出発である。着くのは水曜日の夜だろう。マプトでも多分することはないので、1泊したらすぐにエスワティニに向かうと思う。

 


フランス人カップルも戻ってきた。

 

 

 

今日はさっさと寝て、明日のバスに備えよう。