ひょんなことからアフリカへ

ひょんなことからアフリカへ行くことになった男がアフリカから日本に帰ってくるまでの日々を描いた日記。

アフリカ74日目〜タンザニア編13〜

久しぶりに標高が一般的な場所に戻ってきた初夜は、なかなか寝つきが悪かった。いま、朝の7時だが、途中で何度も起きたし、身体が汗をかいていたのを覚えているし、くしゃみも出た。なにより、起きたときに「あ、これは寝てるあいだに冷えたな」という感じの鼻になっているのだ。ちょっと鼻水やくしゃみが出て、詰まってはいないのだがむずむずとする感じ。

こういうのはたいがい昼くらいになるともう忘れてしまっているくらい回復しているので問題はない。

いやはや、キリマンジャロも終えてしまって、ぼくに残っているのは下山時に得たものすごい筋肉痛だけだ。膝やふくらはぎが悲鳴をあげているのがわかる。そりゃあ、5時間で20km近い下りの山道をダーっと降り続ければそうなる。

昨日から、英語圏の母親らとその子どもら合わせた10人ほどのグループが同じホテルに泊まっており、朝から子どもらがピキピキ(バイクタクシー)やトゥクトゥクを数えるのに必死になっている。交通調査だろうか。日曜日の早朝にもかかわらず、15分ほどでその数はすでに100を超えており、タンザニアのパブリックトランスポートがいかに多いのかをまざまざと感じている。

 

今日は、キリマンジャロ前に一度行った本屋で見つけた本を買いに行ったり、ぶらぶら散歩しようかと思っている。

で、筋肉痛でバキバキの身体をなんとか動かして本屋まで行ったところ、休みだった。日曜日だからか。安息日である。

明日の午前中に行こう。

 

今日はずっとだらだらの日である。

もうすることはない。ムシカキを食べることくらいだ。

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これがムシカキ。牛肉。1本500シリング。約25円だ。昼にこれを6本食べた。

そこからまたしばらく散歩(という名のリハビリ)をして、少しずつ身体を動かせるようにする。

15時ごろ、ふとキリマンジャロツアーで使ったオフィスに寄ってみたら、登山を終えたばかりの日本人がいた。というのも、実は下山中、ひとりの日本人男性クライマーに出会っており、その人が今日帰って来る予定だったのをうっすら覚えていたのだ。そしたら本当にドンピシャのタイミングでいたので、驚いた。彼も証明書をもらっており、無事に登頂したようだ。

 

夕方ごろにホテルに戻ったところで、ラウンジにいた女性観光客から声をかけられた。どうやらドルとシリングを交換して欲しいらしい。といっても1ドルだったので、問題なく承諾。それをきっかけに、彼女と彼女の友人の3人で話が盛り上がった。スペイン人である。

「そういえば、2週間前くらいにスペイン人の女性がここ泊まっていったよ」と話したら、にわかにそわそわしだした。

「え?もしかしてあの子?」「あの子モシに泊まるって言ってたわよ」みたいな雰囲気だったので、名前とともに写真を見せたら、なんと同一人物だったのだ。彼女らは飛行機で会ったらしい。すごい確率だ。そんな偶然の話も盛り上がりつつ、ぼくがアフリカに来た理由も話しつつ、あっという間に1時間ほどが過ぎた。彼女らは今日が帰国日らしく、運転手を待っているタイミングだった。ちょうど来たみたいで、話を切り上げて別れを告げた。

 

気づけばもう夜に近い。

部屋に戻ると、今日の朝から出かけていた台湾人ルームメイトが戻ってきていた。今日はどうだったのか、みたいな他愛もない話をしていたところで、新たにひとりバックパッカーが。アメリカ人である。アジア系の顔立ちである。そして、お笑いコンビのギャロップの毛利にめちゃくちゃ似ているのである。もう、死ぬほど似ているのである。髪型といい、肌の色の感じといい、顔といい、もうギャロップの毛利なのである。

 

ギャロップ 毛利]で調べてもらってからこの後の記事を読んだ方がよい。

 

時間も時間なので夜飯に行こうかみたいな話になったが、どうやら毛利は腹を壊しているらしい。なので、毛利抜きで台湾人とぼくらで近くのムシカキ屋に行くことに。

そこでも6本食べ、正直もう塩分的にも腹いっぱい。

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毛利のように腹を壊してしまいかねない。

 

そんな感じで、もう22時になってしまった!!!

あぁ、もうアフリカの夜が終わってしまう。厳密に言えばまだ明日と明後日の夜はアフリカだが、どちらとも空港で過ごす夜となる。そう考えると、今日はある意味では「アフリカ最後の夜」である。もうおしまいだ。なんとはやいことか。そして、ここまで来たところでなんと「実感がない」という状態になっている。実感がないことは実感しているという、変な状態だ。

 

 

まあ、明日は早めに起きて、まずは本屋に行って目当ての本を買い、そのあとはカフェでミルクシェイクwithエスプレッソをテイクアウトして、ホテルの隣にあるビルに行って日本人のいるオフィスに挨拶をしに行く。そして、頃合いのよいところでモシとおさらばである。

まだシリングが結構残っているので、頑張って使いたいところだが、なんとかなるだろうか。運転手でも雇えばいいのだろうか。

 

まあそれはともかく、、、

今日ももう終わりだ。

と、73回繰り返していたら、本当にアフリカの旅がほぼ終わってしまった。もうあとは飛行機に乗るだけで、そうしたら日本に着いてしまう。信じられない。

 

終わりに近づくと、なぜか楽しいことが起きて(しかも今までよりも際立って見える)、終わってほしくなくなる現象があるが、今はそれが起きそうで起きそうで、そして起きかけている。あぁ、なんだか終わってほしくないとも思っている。でも、終わりは来る。

 

まずは飛行機に乗るまでの過程をちゃんとクリアすることが必要だ。意外とモシからキリマンジャロ空港までは50km近くある。1時間ほどかかるので、時間には余裕を持っていこう。

 

ともあれ、キリマンジャロも含めて3週間ほど過ごしたこのモシともお別れである。

なんというか、今回の旅でわかったのは、今後また長期旅行をするとして、あちこちの観光地にびゅんびゅん行くのではなく、ある土地ある土地に3週間や4週間くらい根付いて滞在する方がよいということがわかった。そのぶん、それくらい滞在しても大丈夫なくらいにモノも揃っているような場所にはなってしまうが。(ケープタウンとか、モシとか、そういうところ)

モシくらいこぢんまりとしている街に3週間近くもいると、街中で自然に知り合いに出くわす。んで、まわりは挨拶してくる。顔なじみの店ができる。ホテルのスタッフは優しくなる。何もかもがうまくいくようになる。

単純に、現地のコミュニティに入って(お邪魔させてもらって)自分もいち生活者になるみたいなイメージで3週間過ごしていると、本当にモシ市民やケープタウン市民になったかのような感じになるのだ。観光客という垣根を取り払った感覚で過ごせるようになる。もちろん、外見や言語などで相手側からは外からの人間というイメージはどうやっても持たれるが、少なくとも言語の壁は少しは取り払うことができる。そのおかげか、少しはスワヒリ語で会話ができるようになった。

これからまた長期で旅行をするようなタイミングがあれば、どこかに土着するようなイメージで、ひとつの地点をゆっくりとせめていこうと思う。

 

ひとまず、明日に備えて寝よう!