アフリカ４７日目〜南アフリカ編18〜

ケープタウンの滞在も、折り返しを過ぎた。

つまり、南アフリカ滞在ももう少しで終了である。

今日もまずはリハビリがてら散歩へ出た。

人間の回復力はすごい。腰の痛みは、もはや普通に歩くくらいなら全く気にならないほどになっていた。たまに、コテコテな通販番組で年老いたばあさんやじいさんが、最初は「イタタタ！」とか言いながら家の中で歩くのもままならないような状態だったのに、よくわからないカプセルを飲んだ結果、にんまり笑顔で腕をぶんぶん振りながらウォーキングするくらいになった、みたいなのを見る。いやいや、演技にしても大げさだわね」と思っていたぼくは、今日、ケープタウンをニッコニコでウキウキウォーキングしていたのである。大げさだったと思う。そして、日常の基本的な動作に伴う痛みからの脱却は、人をニッコニコにさせる。

そんな感じでウォーターフロント（ケープタウンいちの商業施設）に到着。地味に往復で５キロほどはあるが、あまり問題なかった。

先日、ツイッターで知り合った日本人旅行者と行ったカフェでなんとなく頼んだ塩キャラメルモカがめちゃくちゃうまかったので、それを飲むために歩いて行ったというのもある。ぜいたくである。

そして、これまたでかいスーパー、「Pick n Pay」のパンコーナーで売っているシナモンバンズとスコーンを購入し、いざカフェへ。

パンふたつにモカをあわせても４５ランド。だいたい３６０円くらいだ。最高のブランチである。この時すでに時間はお昼を過ぎていたのだが、十分すぎるくらいカロリーは摂取できたと思う。

そこでゆっくりしたあと、H&Mなんかに行ってみたわけだが、久々に行くとそれはそれでおもしろい。というか、「違う服着てー！」となるのである。いまはさらに服を捨てて限定化している最中である。欲求はマシマシだ。なかでも、スポーツようのナップザックに惹かれた。いまぼくが持っているリュックは、リュックそれ自体が多少重いふしがある。そのぶん頑丈でしっかりしているという裏付けなのだが（ちなみにクラウドファンディングで購入）、荷物軽量に自信ニキのぼくからすると、ここにきてちょっと足を引っ張る存在になってしまっているのである。もっと廉価な適当なリュックにしておけばよかったと後悔するいっぽうで、どうせ「モノ」だからと、手放してもよいと思っている自分もいるだけに、見るからに、そして持って実感、その軽い軽いナップザックを見て、ぼくは心惹かれてしまったのである。

まあ、ちょっと荷物の量的にそのナップザックだと入るにしてもパンパンになっていびつな形になってしまいかねないので、ちょっと厳しそう（そして財政的にも）だが、日本に帰ったらさらなる断捨離がぼくを待っていそうである。

今日で足の筋肉痛は９９％治った。あえて太ももにぎゅっと力を入れたりしない限り、痛みはない。アキレス腱も痛いには痛いが、しっかりと歩ける。そして腰。これも、ちゃんと歩いてもほぼ問題ないことがわかった。

明日はすこし、山のぼり、いや、「丘のぼり」をしようと思う。

昨日の記事にも写真つきでちらりと紹介したが、ホテルからのぼったところに「シグナル・ヒル」という丘がある。ケープタウンを代表する観光地だ。なんでも夜景が綺麗なんだとか。ただ、歩いて行こうと思っているので、日中での活動になるだろう。

しっかりと足首をほぐしてから、マイペースでのぼろうと思う。

今日は特にすることがなかった。

と書くことがしばしばあるが、旅なんてすることのない人がやることでもある気がする、と思った。

特にすることがなくてよいのが旅の醍醐味で、どんなことでも「やったこと」や「やりたいこと」に昇華させられるのが、旅の特徴でもある。

キリマンジャロに登頂することを最終目標にしてもよいし、ケープタウンのH&Mで買い物することを最終目標にしてもよい。べつに、なんでもよくて、そこに社会一般的な価値観のものさしを入れる必要がないのが、旅である。なんて思っている。そもそも「自分の考える」旅の概念なので、自分の考えである以上、だれにも侵される領域じゃないので、なんでもよいわけだ。

あぁ、ケープタウンで何を考えているのだろうか。

今日も物乞いから話しかけられたので「Sorry」というと「Always sorry」と言い捨てていた。たしかに、彼からすれば誰もが「Sorry」としか返答しないわけだ。まあ、仕方がない。

ウォーターフロントには「アフリカ版アベンジャーズを撮ろうとした瞬間石にされたやつ」みたいなオブジェがある。

やはりテーブルマウンテンが後ろにあると異質である。

これに写っている３つのロゴつきビルがある。

右からFNB・（SAMSUNGを挟んで）STANDARD BANK（青ロゴ）・ABSA BANKだ。

この３つは全て銀行で、南アフリカ５大銀行（通称：Big Five）に入るメガバンクなのだ。

なんかかっこいいので撮った。

南アフリカ経済とかをちょっと勉強しておくのも、話のネタになっておもしろいかもしれないな。