なにも考えていなかった男がアフリカに行くことになるまで ~その壱~
僕は河野大紀(こうのだいき)。
今、24歳。大学はストレートに卒業し、新卒で証券会社に入社。でも、2か月経った5月末で退職。研修1ヶ月・配属1ヶ月で、すぐ辞めた。
理由は「教育の道に進みたかった」から。その一心で、ひと息で退職してからは、通信制の大学に入学し、教職課程だけをとるコースで勉強。
その傍らで、1度目の大学生の時にやっていた個別指導塾に戻って指導者をやっている。また、辞めたことをFacebookに投稿して、それを見て反応してくれた知り合いのベンチャー企業の社長にインターンとして受け入れてもらい、お手伝いさせてもらえるようになった。
その方も1度目の大学生の時から知り合いで、ちょくちょくイベントにお手伝いに行ってたりしていた。そんな感じで、うまい具合にやりたいことに力を注げる環境をつくれているのが現状だ。
そして、今年度中には教員免許が取られそうで、来年の4月からはいよいよ教員でもしようかと考えていた。
とまあ、若い男の若気の至りで、あまり将来も見据えず、その場のノリと勢いで仕事も辞め、その後ちゃんと教員をやるかもわからない、典型的なマージナル・マンみたいなやつが僕だ。モラトリアムを永久に続けていたい、中途半端な男が今までの僕だ。
ひょんなことから、アフリカへ行くことになってしまうまでは。
「ひょんなことからアフリカへ行く」なんて、人生で言えるセリフだろうか。飲み会で「あ、ちょっと今度、ひょんなことからアフリカへ行くことになりまして…」なんて言ったら、ウケるだろう。これが戯言でもなんでもなく、本当のことなのだから。
僕はいま、学生兼フリーター。お金もない。アフリカへ行くことなど、ライフプランに毛頭ない。行くことなんて生涯ない。しかし、機会は、むしろあちらから訪れた。
6月中旬、日比谷公園のイベント『今のアフリカ』www.imanoafrica.com
に友人とふらっと行ったところ、受付から「フォトコンテストもやってるので、ぜひ」と言われた。これまたふらっとフォトコンテストに参加してみた。参加方法は、ハッシュタグ(#)にimanoafricaとつけてSNSにアップするだけ。(僕はInstagramに投稿した)
とはいっても、だいたい、こういうイベントのコンテストって、そんなに参加者もいないし、ガチで頑張って大賞を目指す人なんて全然いない。僕も「へぇ~」程度で、多少の冷やかしも含めて参加したまでだった。
、、、でも、ちゃっかり大賞を狙ってはいた。
そう、大賞の賞品は「アフリカ行きの往復航空券」だったからである。値段にすればウン十万はくだらない。まっっったく視野になかったアフリカ行きの航空券をちょっと頑張ればもらえるかもしれないなんて、まさに「棚からぼたもち」である。いや、「日比谷公園から航空券」である(こっちの方が確率は低いだろう)。
それで、実際に投稿した写真がコレだ。
見てもらえればわかるが、アフリカに全く関係がない。
単に、受付でもらったトートバッグをジャンプしながら撮ってもらっただけである。
そして、1ヶ月くらい経って突然、運営から連絡が来た。
ここで、僕の写真が最終選考に残ったことを告げられるのである。
ここから僕がアフリカにマジで行くことになってしまうまでの「戦い」がはじまるのである。
~その弐へ続く~