ひょんなことからアフリカへ

ひょんなことからアフリカへ行くことになった男がアフリカから日本に帰ってくるまでの日々を描いた日記。

アフリカ13、14日目〜エチオピア編13、ソマリランド編①〜

ようやくWi-Fiがつながった。

ついにエチオピアを抜け、現在はソマリランドにいる。

ソマリランドは、厳密にはソマリアとは違う(ということになっている)。ソマリアの中において、独立した未承認国家としてソマリランドは存在している。そのため、(勝手に、という言い方になるが)ビザ発給をして、我々もビザをゲットできて、いまこうしてソマリランドにいられているわけである。

 

 


さて、昨日からずっと移動に次ぐ移動だった。実は明日も移動なのだが...。

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昨日はアディスアベバから、ハラール(赤線)という場所まで移動した。

所要時間はなんと12時間半。朝7時前に出発して、夜7時過ぎに着くという大移動だった。インドのTATA製大型バスで行ったわけだが、まあ勾配はあるわガタガタはあるわで、非常に疲れた。

ハラールに着いたときには自分が思っていた以上にヘトヘトで気持ち悪くなっていたらしく、着いてからまずすぐにマンゴージュースを飲んだ。しかしこれが仇になったようで、ホテルに着いてしばらく寝て、起きた直後、キタキタキターーー!

 


ウォエーーーーーー!!!!

 


朝から何も食べていなかったのが幸いだったといえばよいだろうか。先ほど飲んだマンゴージュースは、なにも変わらぬままぼくのからだから勢いよく飛び出ることを選択したのだった。

 


そんなこんなで昨日の夜は、非凡な1日となったのであった。

 


そして今日。

朝6時前には起きて、少し肌寒さを感じる中ぼくらはハラールを出発した。

そこからミニバスを使い、ハラールからジジガ、ジジガからウチャレ、ウチャレからソマリランドハルゲイサ(青線)というところまで移動した。おおむね道は平坦で、とはいってもヘビのようにうねうねした道だったわけだが、昨日と比べればあまり問題にはならない行程だった。というか、運転手のおっちゃんが熟練だったみたいで、常に80kmから100kmくらいの速度で走っていた。トヨタハイエース、15人くらい乗せながら、すごい馬力である。

そんなこんなで朝9時頃にはウチャレに着いた。

このウチャレというところが、エチオピアソマリランドの国境なのである。

 


ほう、国境とはどんな感じなのだろうか。

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こんな感じである。かなりラフだ。

左がエチオピア、真ん中がぼく、そして左がソマリランドだ。

現地人なんてもうスイスイと行ったり来たりだ。かなりラフである。

 


そこでエチオピア出国スタンプを押してもらうべく受付に行き、ドスンと押してもらった後、いよいよ2カ国目、ソマリランドに入国した。

入国スタンプを押してもらう際、なぜか金を要求されたのだが、きっぱりと断った結果応じてくれた。

ウチャレから目的地とするハルゲイサまではだいたい直線で80kmほどあるので、再び移動する必要がある。そこで目の前にあったミニバス(トヨタのバン)に乗ったのだが、実際5ドルくらいしか払わん!と思って乗った結果、80ドルだと言われた。これはだめだ!すぐに「払えない」と言い、交渉を始めた。ソマリランドではソマリランドシリングとあわせてUSドルが使われている。しばらく交渉したが、結局30USドルだと言われたのであえなく降車。少し歩いたところに緑色の大きめなバスがあったので乗ってみた結果、なんと3ドル。安い。エチオピアブルでも払えるとのことだったので、今はエチオピアブルがまだまだ余りまくっているのでこちらで支払った。

そのバスはしっかりとしたシートに幅広な足もと、なにより、人があまり乗っていなくてリクライニング付きだった!!これには一瞬でリクライニング全開、就寝である。

 


しばらく寝たあと、ハルゲイサに着いた。

結構暑い。この時点で12時頃。

我々はソマリランドの地を改めて踏んだ。

 


街中を歩いてみると、エチオピアと違って全く喧騒がない。タクシーなどの呼び込みの大きな声もなければ、ワーワーとした感じの雰囲気もない。トヨタヴィッツが死ぬほど走っている。エチオピアでは見なかったマークIIやクラウンも走っている。しかも全て右ハンドルなので、日本から輸入されたものなのだろうか。

そして、ソマリランドには今日しかいないものの、その今日が「ラマダン」だったのには驚いた。先ほどコーラを買ったのだが、途中で人に「ラマダンだぞ!」みたいな感じででお叱りっぽいのを受けた。

 


ソマリランドの人らは、平和をしっかりと認識している節がある。わざわざ人が来てくれて、「ノーガン、ノーチーフ(Thief=強盗だろう)、ウェルカム」と言いに来てくれた。ソマリアと聞くだけではどうしても危険な場所としか想像できないが、中に入るとソマリランドという場所が独立していて、ふつうに人々も過ごしているということがわかる。

何より、ヴィッツの考案者は泣いて喜ぶくらい、ここでのヴィッツ普及率は高い。

 


また、かねてよりぼくらの頭を悩ませてきた「USドルの確保」なのだが、なんとなんと、ソマリランド内の銀行ATMでおろせてしまったのである!

Premier Bankという銀行のATMでおろせた。

これはひとつのライフハックかもしれない。

アフリカ周遊をするうえで、USドルは必須だ。ビザ獲得時やその他の場面でも、ほぼ確実に使えるアイテムである。これをエチオピアで引き出そうと思っても、すごく時間と労力とストレスがかかった。しかし、ソマリランドまで来られれば、簡単にUSドルを引き出すことができる。

ソマリランドまで行くにも労力が大きいので、どっちもどっちという感じではある。まあウルトラCという感じで頭の中に置いといてもらえれば十分だろう。

 


ジンバブエドルもたいがいだが、総合的なレア度で考えるとソマリランド・シリングもかなりの「お土産マネー」ではないだろうか。

だいたい1ドルが8500ソマリランド・シリングだ。

この札束、生で見るともはやおもちゃのお金にしか見えない。

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少しくらいは両替してゲットしておこうか。

 

今日はソマリランドラマダンなので、特に食べたりもない。

やはり、アフリカに来てからというもの、お腹がゆるくなったように思う。

少なくとも、敏感に反応するようになり、体調をととのえることがひとつの恒常的なタスクとなった。

そういうときに街中で売っているバナナは大変ありがたい。

昨日も今日も、ばくばく食べている。

おかげさまで体調は良好だ。

 

 

明日はジブチへ移る予定。

また数百kmを陸路で移動するハードスケジュールだが、頑張って耐え忍ぼう。

明日をジブチで1泊し、そのあとは一気に南の“あの”島へ行くかもしれない。