ひょんなことからアフリカへ

ひょんなことからアフリカへ行くことになった男がアフリカから日本に帰ってくるまでの日々を描いた日記。

アフリカ36日目〜南アフリカ編⑦〜

バスでは少し眠るどころか、がっつり寝られた。起きたら朝5時30分ごろを示していた。バス内で横になって6時間寝られるのはすごいことだ。

もう4時間ほどでケープタウンに着く。

まだまだ暗いので外は見えなかったが、7時くらいからだんだんとあたりがオレンジ色に染まっていった。そして今は8時前。

まわりにはごつごつとした岩のような山が点在している。

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それらが太陽の光を少しずつ浴びはじめ、影とのコントラストを生み出している。なかなかよい景色である。


アフリカの景色はいちいちエモい。

アフリカという条件をさっぴいてただ単純に景色として眺めた場合も、どこかスケールの大きさの違いを感じて、圧倒されることもしばしば。じゃあデカけりゃいいのかという話だが、もちろん、デカい方が圧倒感があって強そうな感じはするが、小さくても「すごい!」と思える感性を持っているのが人間である。感動するのに大きさはそこまで関係ない。これまで見てきたものと違うかどうかが、感動の条件だろうか。そう思うとアフリカは日本とは全く違うので、いちいちビックリしていられるのかもしれない。日本なら「ここに行かなきゃ見られません!」みたいな自然が、アフリカではそこら中にごろごろ転がっている感じだ。

文化もまだまだ“ありのまま”という感じがするのだ。商業的なかたちになっていない、“まるだし”の文化。誰に見てほしいでもなく、自分たちが必要だからやっていることとしての文化。それらが、ぼくのような部外者から見ると、とてつもなく新鮮で、圧倒的に洗練された“文化”として映るのである。

 


武勇伝ほしさにアフリカに来たわけでもなければ、何か目的や特定の興味があってこの大陸に来たわけでもない。

「ひょんなことからアフリカへ」来てしまったのである。

目的も理由もない。ただ、来たのである。

「アフリカで何か見つけるかもね!」なんてことを誰かと話してた覚えもあるが、今のところ見つけていることは「アフリカで人が暮らし、時が過ぎ、文化が営まれていること」である。アフリカでの仕事とか、「〇〇を問題と捉えて起業しよう!」みたいな(ぼくにとって)副次的なものは、残念ながらアイデアすら浮かんでいない。

 

 

 

さあ、ようやくようやくケープタウンに着いた!

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目的とする「Urban Hive Backpackers」まで歩いていったのだが、途中で事件らしきものは起きた。というか気を抜かなくてよかった。

 


まず、か細い歯のないおっさんが何か言いながらついてきたのがひとつ。

そして、なんか作業着っぽい感じのを着たにいちゃん2人組が「あっちの道は今クローズしている。どこに行きたいんだ?」と話しかけてきたので「わからん、あっちかな」とか言って誤魔化してもなお「どの通りだ?」みたいなことを言ってきたので、これはもしや、ネットで見た「こっちは道が封鎖されているから誘導された方についていったら通るのにパスが必要で金をせびられた案件」なのではと思い、こっちから先に「なにかパスでもいるのか」と言ったらひとりは「ノーノー」と言っていたが、もうひとりは少し笑いはじめた。そのあと、まだノーノーにいちゃんが何か言っていたので「おれのクレジットカードが必要なのか?」と言ったら、さっき笑っていたにいちゃんが爆笑しだした。たぶん、図星だったのだろう。ぼくはそこで立ち去った。


そして、、、少し人気のないような地下入り口みたいなところに行ったぼくも悪いのだが、道半ばで4人組の男らが待ち構えており、ひとりが近づいてきて「マネー、マネー」といってぼくに触れようとしてきたのだ。そこで気づいたのが、彼の右手にはキャンプなどで使うような、しまえるかたちのナイフのようなものが握られていた。いち早く気づけたのでぼくが制止すると、彼はポケットにしまったが引き続きぼくは後ろにステップで下がりつつ、彼の右手を左手で抑えて再び大通りに出た。さほど暗がりでもないし、なんならまわりにも人がいたのだが、それでもああいった未遂の出来事が起きてしまうのは怖い。やはり単独徒歩はあまりおすすめできない。しかし朝10時にあんなことが起きるとは。

そのあとは大通りのショッピングストリートに出て、まわりも観光客らしき人やスーツを着たようなサラリーマン、セキュリティの人ばかりの場所になったのでよかったが、少し肝を冷やした出来事となった。

 

 

 

今日は少し体調も良くないので、ホテルでゆっくりしようと思う。

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さっきタオル(持っていたが、ヨハネスブルグに忘れたので新調)とせっけん、水を買い物に行った際、日本語の和風レストランがあり、そして日本人女性スタッフがいた。久しぶりに友人以外の日本人と話をしたが、他にも日本人がいるのだろうか。

近くには日本人宿もあるみたいなので、遊びに行くのもよいかもしれない。

今日は休んで、夜ご飯を多少食べて、シャワーを浴びて寝よう。

 

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アンディー・ウォーホルのTシャツではない。

アフリカを旅して思うのは、

「バナナは裏切らない」だ。