アフリカ39日目〜南アフリカ編⑩〜
南アフリカ編もパート10まで来てしまった。
まだまだ滞在予定なので、かなり大きなパートとなることだろう。
「ひょんなことから」「よくわからないが、気づいたら」「ノリで」という偶発的かつ多少の勢いに身を任せて行うことには成功と失敗がはっきり分かれるふしがあるような気がする。
少なくとも、「ひょんなことから」アフリカに来たことは、今のところ間違いではないことは確かだ。こうして日々ブログを書くことが常となったなか、感覚としては「毎日を毎日評価する」という感じがするのだ。だから、頭ごなしに「アフリカ素晴らしい!」と評価することもなければ、「やっぱアフリカ無理だわ」と批判することもない。短期的に毎日評価して、かつそれらを連続的に長期のものとしても評価する。ブログにすることで「あぁ、これまでどんな感じだったかな」と考えることができてきた。
自分としては、功を奏している。良かれ悪かれ、毎日が濃密でぎゅっとしている。
さて、38日目を飾るのは、テーブルマウンテンだ。
これに、徒歩で登頂、そして下山をしてきた。
標高は1085メートル。登山初心者でもハイキング的な感じで登ることができる山だ。(なにせ、ぼくが登れているんだから)
いくつか登り方があるらしいのだが、ぼくは一番オーソドックスなPlatteklip Gorgeルートを選んだ。
だいたい3キロほどの山路である。ほとんどが切り出した岩の階段みたいな感じで、ちょっと不規則な段差に太ももやアキレス腱はたびたび惑わされ、痛みや重みとしてぼくの身体に伝わっていった。
ここが入り口。階段地獄の始まりだった。
途中、振り返ると、山がちな県の広告とか青春きっぷの広告で見るような景色がぼくの目に自信ありげに待ち構えている。毎回、ぼくの予想を上回ってきて、疲れがありつつも「わぉ」の一言は忘れなかった。
こんなに切り立った岩はビッグサンダーマウンテンかモザンビークくらいでしか見たことがなかった。これからは、こういう岩を見たら「いやいや、テーブルマウンテンの途中にある岩岩みたいじゃん!」と言える。
時折、というか結構な確率で雲が自然発生する。ぼくはしばしば雲の中にいた。
登って登って登った結果、下山中の人から「もうすぐだぞ」と言われた場所。正直、胃のなかに水とバナナが消化されずにとどまっているのを感じたぼくはこれまでのバスのことを同時に思い出さざるを得なかった。つまり、吐きそうだったのである。しかしゴールがもすぐだというのを知って、グッとこらえて登山再開。
まるで天国への階段である。どこまで登るのかわからなかったぼくが唯一、登頂を確信した瞬間である。山登りはきつい。
妖しい雰囲気を出すが、頂上に到達。テーブルマウンテンだからこそ、頂上が平坦でかなり多くの登山者がおり、普通にペタペタと歩けるのである。不思議だった。
ぼくは「雲の上の存在」となってしまったのである。
頂上から見渡せるのは、ケープタウン全体像とその先にある湾。平坦なおかげでいろんな場所からいろんな景色を見られた。あっという間に2時間ほど経ってしまっていた。
そして頂上で食べるバナナ。
最高にうまい。味はいつもと変わらない。うまかった。時に「おいしさ」は値段に比例しない。ブランド牛肉を食べるよりも、熱い風呂上がりに飲むコーヒー牛乳や、きつい山登りの後に食べるバナナの方がおいしいことがある。
バナナなんてたった数ランド(数十円)である。本当にうまかった。
計測したところ、およそ1時間40分。
小刻みに、メッシのドリブルのようにトトトトっと上がっていくとよい気がした。はやいかわからないが、吐きそうになったこともふまえると、ペースがはやくて自分には合っていなかったのだと思う。
街、道。
しばらく頂上での景色を楽しんだ後、再び徒歩で下山をしようと考えた。
下山中に見つけた「アフリカ大陸っぽい石」。
素晴らしい景色、まるで作為的に積み上げたられたかのような何層にも分かれた岩たちを見たり、当たり前のように絶景が出てくることに半ば感動しながら下山を楽しんだ。思うに、下山時はなんだかボーナスステージっぽさがあってよい。不幸なことに下山時は階段を降りまくる道のりだったので、膝にきたのだが、それでも登山時とはまた全然違う感じがした。下山のために登山をする、というのもありなのかもしれない。
帰った後は即シャワー。
そしていつものようにFoodinnで飯を買った。今回はハッカヌードル。なんでもインド式中華焼きそばみたいなやつらしい。いやぁ普通にうまい。特に山登り後の身体カラカラの状態にこういうジャンキーな焼きそばはめちゃくちゃ合う。
あっという間に食べ終えてしまった。
その後は、再びツイッターで知り合った人(とその友人)と夜の街へ。(と言ってもホテルから歩いて15秒ほど)
ホテルの周りにはナイトクラブ的な、にぎやかな音楽とお酒と人が集まるお店がいくつもある。
そのひとつにお邪魔した。なかで音楽バンドによる生演奏が繰り広げられており、それに合わせて人々が好きなように踊る、という素敵な形式が見事に完成していた。正直、ただ音楽がスピーカーから流れるクラブよりもずっと楽しく、臨場感があった。
一緒に「MAMA AFRICA!」と歌ったりして、無事にカラカラになれた。
そんなこんなで今日はホテルに戻ったのが夜中の1時30分。
一緒に行ったホテルのルームメイトと帰り、その後はひとり記事を書いていたわけだが、途中寝落ちしていたのもあって今は3時前。もういつでも寝られる状態は保てるようになった。
今日もすばらしい1日だった。
明日はもっとよくなるよね、とハムスターに問いかけていた女の子のアニメを覚えているだろうか。ハムスターに人格が宿ったアニメ、「ハム太郎–HAMTARO–」である。
ロコちゃんの言うとおり。明日はもっといい日になる。今日もすばらしい日だった。
さて、もう意識も朦朧としてきたので、終わりにしよう。